読書

赤塚不二男 『タモリ、それでいいのか?』感想 後編

「ねえ、タモリ。それでいいのか?」 「……」 「それでいいのか?」 「……マア、アリッチャアリダ」赤塚不二男『タモリ、それでいいのか?』 感想から逸脱して、ほとんどあらすじになってしまうのをお許し願いたい。この物語は多くの人に伝わりたいと願ってい…

赤塚不二男『タモリ、それでいいのか?』感想 前編

二十世紀は異端に商品価値が成立した、いわばアウトサイダーの世紀だった。しかし、同時に、二十世紀はタモリの世紀でもあったのだ。赤塚不二男『タモリ、それでいいのか?』 かっこいい。かっこよすぎる。荒唐無稽でハチャメチャであるのだが、そのハチャメ…

博士の異常な根拠

とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2008/08/10メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 83回この商品を含むブログ (198件) を見る 実乃梨さん(26)(上の画像は16歳当時のもの)と飲みに行ったのだっ…

どうしたの、屏風のタイガー・リリー?

君が読むまで同じ話をやめません。ちなみに君が誰なのかは当blog最大のネタバレなので、筆者には内緒にしてください。とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2008/08/10メディア: 文庫購入: 9人 …

動機について私が知っている二、三の事柄

何度でも同じ話をします。とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2008/08/10メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 83回この商品を含むブログ (198件) を見る実に実におもしろかったです。 「たぶん…

あの娘ぼくが同じことなのに違った表現をしたらどんな顔するだろう?

読んだ本を紹介します。とらドラ!〈8〉 (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2008/08/10メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 83回この商品を含むブログ (198件) を見る実におもしろかったです。 ところで、紹介…

『g:neo』感想。その他。

絞首台からこんばんは。言ってみたものの誰に対してでしょう?頭陀袋で何も見えてないわけですが。めっきり寒くなってまいりました。裸足には床が冷たい季節です。あれ?これ床?地に足がついてんだか、天に召されかけてんだかわかんなくなって、冬。死刑と…

豚と犬以外全部、無断横たわるの禁止。

ケルベロス第五の首 (未来の文学)作者: ジーン・ウルフ,柳下毅一郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2004/07/25メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (174件) を見る おいしゅうございました。遺書には「ケルベロスおいしゅうご…

「荒川アンダーザブリッジ」おもしれれえええええ!

文章練っているばやいではない。即時性 is a good!good!俺に血より深く流れるガンガン汁が叫んでおられるっ! ガンガン汁とは何かとゆと、なんかガンガンっぽいボケとツッコミを見ると体の一部分が固くなっちゃう汁だ!具体的には、ほら眼球とか!軟骨とか!…

「女神の鬼」4巻と俺昔悪やってたんだぜマジでマジで。みたいな話。

女神の鬼(4) (ヤンマガKCスペシャル)作者: 田中宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/08/04メディア: コミック購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見るギッチョ小学生編終わってから書こうと思ったけど、ちょっと書く。 俺の身近にヤン…

中島らも「しりとりえっせい」読んだ。

4時間くらい電車に乗ってた。駅前の古本屋を物色。今まであまり読んでなかった中島らもをなんとなく購入。読んだ。一発で中島らも好きになった。 年に500冊の本を読んでは捨てていた若き日の俺は、騙されることにしか興味がなかった。もっと、もっと意外…

信濃川日出雄「fine 〜Two Step From The Blue〜」

Fine. (1)作者: 信濃川日出雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/06/30メディア: コミック購入: 1人 クリック: 127回この商品を含むブログ (46件) を見る全並行世界の俺に告ぐ。読め。 表現に度肝をぬかれると吐き気を催す。描写が琴線に触れると悪寒が走…

ジョージ朝倉「平凡ポンチ」完結

すげー!みんな読め読めー!って人に貸しちゃったから、手元にない。 んー、俺ユートピアがどこにでもあって次々なくしては新しいのを見つけてく。って話が大好きなんだと思う。セカイ系とかは世界が一個だからつまんないので、100万個ぐらいあればいいの…

「PLANETS vol.1」読んだ。

自分が批評の本を読むときはあんまり内容読んでない。物を知らないので、調べて読むとすごく時間かかるから。よっぽど興味があるものだと調べて読む。もう半年くらい読んでる本もある。 じゃあ何を見てるかって言うと、「この人の目線はここなのかー」「すご…

それいけ徒弟制度

だいたい4、5冊の本を並行して読んでいます。思いもよらぬシンクロニシティがシンコペーションして、1冊読むのでは味わえぬ体験ができますが、代わりに1冊の本の内容は理解できないコースになっております。 最近読んでいる本の紹介をしてみましょう。 …

れっきとしない

「どんがらどん」を読み、「東京のSF」と比較してみんと試みる。 小説と演劇という以上の距離感。比較しなければよかった。しかし、書評が分からなければ書評は書けぬ。まず伝奇より始めるべきか。電気グルーブより音楽を始めた悲しさよ。 読解力が……、欲…

神話としての田中宏論のための資料

誰か書いてくれないかなぁ。じゃないと、ここらじゃ名の知れた文盲の人が書いちゃうよ!誰かって?オレオレ。こういうのは、オレハオレオレサギジャナイ。って言います。なんて言ってるのかさっぱりですけどね! 初代広島連合(出展:「グレアー」) 暴走族の…

田中宏すげぇ

「グレアー」「莫逆家族」読んだ。神話だ。コレは。物語の歴史を1人で辿ってる。新作の「女神の鬼」は神様のいない神話になるのか。なっちゃうのか。ひょっとしてメタ構造までいくか。 この面白さを説明できない俺はクソ食らえだ。

中場利一「リョーコ」

ここは中場利一ファンブログです。 中場さんは「伝奇小説メソッドで、自分と自分の周りのことを神話なみにでっかくする」という試みを一貫している作家です。例えて言うならば「実際に地下闘技場のファイターだった板垣圭介。ただし作者は、バキではなく本部…

平山瑞穂「ラス・マンチャス通信」

すげぇ胸糞悪い小説で、読んだ後仕事に行ったら世界中に悪意をぶつけられてる気分になって、いや違うな、この小説を読んだからそういう気分になって、すげぇなーすげぇなーと俺は言うた。 こんな言い方したけど、すげぇおもしろい。 一冊小説を読んで、世界…

立ち読まなかった。

赤川次郎「三毛猫ホームズの戦争と平和」ISBN:4334740448 あらすじ 迷い込んだ村は戦争中。ホームズ、この「戦い」をやめさせて―!深夜、親戚の法事から車で帰る途中だったホームズと片山兄妹は、山奥で道に迷ってしまった。助けを請おうと、たまたま見つけた…

ブギーポップ・イントレランス オルフェの箱舟 ISBN:4840233845

あのねー、うんとねー、フリーキーな人がいっぱいでした。 詐欺師の基本「小さな真実を積み重ねて、大きな嘘を押し通す」を地でいくのがブギーポップシリーズだと思うのですけど、それでも嘘の担保と言うか、これはそういうフィクションですよ。設定ですよ。…

餅月あんこ諸作感想

・ドラネコシアター ISBN:4893661914 ファミ通のマンガによくある(なんでか不思議と)、作者のまわりの人が頻繁に出てくるところ。なんかそんで、代わりに絵を描いたり原作をしてるところ。昔周りにいた、開かれようなんて思ってもなかった女の子のことを思…

「完全覇道マニュアル」読んだ。

小学校のクラスを舞台にすると、登場人物が多すぎて、キャラ立てとか名台詞が難しいんだろうなー。「蒼天航路」に思いを馳せた。 脳内コント力といおうか、読者がキャラを動かすといおうか、ダメだ。ジャーゴン化できねぇ。まぁいいや。

STUDIO VOIE VOL.363 March 2006

今月号のスタジオボイス読んだ。 「今最も面白い小説150冊」。 第一特集 今最も面白い小説150冊! 第二特集 批評本のリアル・マップ どっちも超くだらない。という話に辿り着くために西島大介「凹村戦争」の話をします。しますよ。辿り着けないかもし…

「敷居の住人」に共感してたまるかって。

読んでちょっと吐きそうになった。口の中がすっぱい。 けど、そいつは否定的な意味じゃない。 そもそも感情と肉体、感情と行動の関連なんて、あやふやあやふやしたもんじゃん。 吐き気がしたから拒否反応。なんてこたーない。 むしろ俺、愛してる。ってキメ…

暫定的「エアマスター」感想

「エアマスター」は、現在の戦闘マンガにおける最奇形であるだろ。 たー言わないが、もう少し狭義で格闘マンガのアレの果てなんだと思う。 初期の話から、人間関係と、戦う動機と、戦いの勝敗が、バラッバラで且つ、どれが優先されることもなく共存している…

最近読んだもの。

ゲームをしてると、なかなかまとまって小説を読めない。 おまけに、本を積んでいる場所が部屋の中に三箇所くらいあって、読みかけの本もどっかに行ってしまう。じっくり読むような小説はなおさら。おかげでマンガばかり読んでいる。 そんな中でも読んだ小説…

佐藤多佳子「黄色い目の魚」

「何か作業を行っている状態を主観的に描写する」、とか書くと何のことやら漠然としててアレじゃんよ。 えー、絵を描く人が絵を書いてる最中に、頭に浮かぶこと。 好きな絵描きの絵をファイリングしてるときに、思っていること。 サッカーをしながら、プレイ…

ウラサワっちの「Happy」って、ヤワラと変わんなくない?読んでないけど。