中場利一「リョーコ」

ここは中場利一ファンブログです。


中場さんは「伝奇小説メソッドで、自分と自分の周りのことを神話なみにでっかくする」という試みを一貫している作家です。例えて言うならば「実際に地下闘技場のファイターだった板垣圭介。ただし作者は、バキではなく本部」といったところでしょうか。言行一致、ここに極まれり。


さて、「リョーコ」は恋愛小説です。
タイトルであり、作中の視点人物でもある「リョーコ」は、過去の中場作品にもたびたび登場する、10代当時の中場さんの恋人。ミューズであり、ファム・ファタール。彼女の視点から見た、2人の出会いから別れまで、ということで
中場さんの理想の女性像がこれでもか、と詰め込まれています。とんでもなく愛が濃い。リョーコの眼を通して、徹頭徹尾ろくでなしとして描かれる中場さんは、しかしそれでも愛おしく、でもそれは中場さんの想像で、しかしリアリティ。これでもかとリアリティ。
リアリティさえあれば、過去は、いや現在さえ想像力で書き換えられるということかっ!!


中場さんの親友、小鉄が好き過ぎて、小鉄が出てくれば「うひゃー」言うて「うはー」言うて笑ってしまう。あと今回は女小鉄ポジションのコインコがいい女過ぎて2倍嬉しい。笑える。
あと、他にもいろんな人が出てきて、それが誰も彼もわがままで自分がよけりゃいい人達なのですけど、ていうか中場さんもリョーコも小鉄もみんなそうなのですけど、「しょーもない奴は死ねばいいし、愛しい奴は愛しい。笑っちゃうくらいに」という中場利一世界観を俺は完璧に支持するよ。ラブ中場利一