ブギーポップ・イントレランス オルフェの箱舟 ISBN:4840233845

あのねー、うんとねー、フリーキーな人がいっぱいでした。


詐欺師の基本「小さな真実を積み重ねて、大きな嘘を押し通す」を地でいくのがブギーポップシリーズだと思うのですけど、それでも嘘の担保と言うか、これはそういうフィクションですよ。設定ですよ。という体裁は保っていた。いたと思います。
ボーズの歌うところの「そーだったら いいのになー」がどこかに本当にある。胸騒ぎがちな気持ちから生まれた空想。その気持ちのとこで共感させて、オーケー共感したろ?ってことは空想じゃないんだよ!!と大法螺を吹きます。ぶおー。


そんでもって今巻は空想のブットビ距離が大きい。過去最大級に大きいかもしんない。そんな大きな法螺、お口でくわえらんない。
だから、空想ぶっとばす人がみんな頭オカシく見えます。
んで頭オカシさを際立たせるのが、普段の生活の描写で、普通の人がこんなに頭オカシくなっちゃった!!という話の運びにしているのですけど、ダメです。普通じゃない。溶け込んでない。頭オカシイ。頭の中で大人計画が上演してるとこを想像した。頭オカシイと言えば大人計画の、俺の貧相さよ。じゃあ、デヴィッド・リンチの映画にします。そんな感じだよ。見たことないけど。



で、頭オカシイ人に取り残された比較的頭オカシくない人が、頭オカシイ人(ブギーポップさんも含めて)を評して曰く。「神話みたく荒唐無稽」


何を言ってるのかサッパリな人のために解説!俺以外の人が。もうちょい分かりやすいリンク先
http://d.hatena.ne.jp/kimagure/20060410/1144674474
フォークロアvs陰謀説」で見るブギーポップ。妄想と何度書かれても、全面的に信じてみる。ブギーポップだっているもの。
信じた上で妄想を広げてみる。陰謀説側の統和機構はだいたい確立されてしまったけども、少年マンガならばインフレ。ってなわけで、統和機構で伝説と噂される存在が出てきている昨今です。一方都市伝説側のMPLSには、イマジネーターという、「集合無意識としての都市伝説のその集合無意識的な存在」というわけわからんのがおります。あ、もっかい断っとくけど、このイマジネーターの説明も妄想だかんな!
で、ブギーポップさんというのは「都市伝説から生まれつつ、上位都市伝説(都市伝説が恐れる都市伝説)になっちゃったもの」なんではなかろうか。作品内では。んで、インフレに対するくさびの機能を果たしている、と。
そこに虚空牙とかいう、別の小説の論理も絡んでくるので、しかもしかも、それ全部個人として描こうとしておるので、そりゃ長くなるもなるわなー。しょうがないよ。
よし。覚悟完了。これでブギーポップの続きを楽しく待てます。妄想ってステキ。


ここで話をひっくりかえしますが、そういう複雑な物語構造が楽しみで読んでるわけじゃないんだよねー。
隆慶センセイを楽しむように、途中何段かこんにゃくでできてる梯子のごとき論理展開。あと、案外それに胸騒ぐ俺の若さ(若パイ)とか。ワン・ホット・ミニッツに共感しちゃったよ。今若パイって変換しようとしたら、一発で和香パイってでて、びっくりした。


でも若パイから言わせてもらえば、冷や水ぶっかけられたね。若パイにね。
共感しながら、「一緒にしないで!!!」って叫びたくなるのは、ちょっと初めての体験やった。嘘と本当と狙いと天然のモザイク模様を目を交差させてじーっと見ると、3Dで浮き上がってきた!!なんだこれ!!って感じでした。


あと誰かブギーポップ成分分析(ffの87%は油断のできない性格でできています)とか、ブギーポップ右左チェック(右が統和機構/左がMPLS)とか作って欲しい。君の力が必要だ!