最近読んだもの。

ゲームをしてると、なかなかまとまって小説を読めない。
おまけに、本を積んでいる場所が部屋の中に三箇所くらいあって、読みかけの本もどっかに行ってしまう。じっくり読むような小説はなおさら。おかげでマンガばかり読んでいる。
そんな中でも読んだ小説を。最近書いてなかったので一気に。


「パートタイム・サンドバック」リーサー・リアドン
パートタイム・サンドバッグ (ランダムハウス講談社文庫)
タイトルと表紙から想像したものと、全然内容が違った。
視点の置き方がグッとくる作家で、特にベトナム戦争を手紙のやりとりで描写するシーンが実によかった。うん。戦争の話を書きたかったんだと思う。戦争を経験したアメリカの話とゆーか。劇作家をやっていたらしい。だから、視点の置き方がしっくりくるのか。話が展開する中心になる場所があって、そこにいろいろな人がぽつぽついる感じ。
あー、演劇として読んでたかもしんない。そうすればよかったのに。ちょっと事務的な描写になってる部分をざっくり捨てると、よさがひきたったと思う。内面描写よりセリフのほうが、いろいろ伝えてたんじゃないかな。


「黒冷水」羽田圭介
黒冷水 (河出文庫)
「黒冷水」と書いて、「こくれいすい」と読むそうな。「くろひやみず」ならよかったのに。全部そんな感じ。センスがあわねぇ。
17歳で文藝賞受賞。そのコピーのみで買った。俺は10代に弱い。なんかストレートっぽいじゃん。めったやたらと。
でも、違った。ガキが分別知んなよ。天才えりちゃんを見習えよ。えりちゃん大好きなんだぞ自分。


超妹大戦シスマゲドン古橋秀之
超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫)
バカだ。バカなのにうめぇ。まるっきりキン肉マンでやんの。
俺は古橋ゆでユキセンセーの文章のタイム感ってのがスゲー好きで、それは歌モノでいう声の好みと同じで、冷静にほめようがない。


んが、古橋ゆでユキセンセーが使える文体が新しいシリーズ物を書くたびにどんどん増えて、ナウイズザタイム、気持ちいーという意思一点が物語のエンジンになっている*1は、興味深い。どう興味深いのか、まったく言えないのはくやしい!!いえいえ!!
ただただ、古橋先生が途中で飽きませんように、と祈る。決めた。初詣で祈る。

*1:そう読めるだけで、別の思惑があるのかも。「ある日爆弾が落ちてきて」がメタ視点でまったく違う景色が見えるよーに