三寸切り込めば人は死ぬ

舟木兄弟の兄、兵馬は眼前の敵との距離を計っている。
ひとたび彼の剣の届く間合いに入れば、兵馬の豪剣は何者も止められぬ。
じりじりと距離を詰めた。
"――一寸。一寸一寸。"
彼の敵が剣を振るった。
その時、弟の数馬に異変が生じた。
飛び込んでくる敵は見えるのだが、反応ができない。
"――な、なんで?なんでなんで?"
後のザ・たっちであった。あ、ごめん違った。今死んじゃったから、後はないんだ。