「労働者M」

わー!!!


日曜に本郷くんと立ち見で3時間。
「え、3時間?うっそー。全然長く感じなかったー」
という位、楽しい続きの3時間。ひゅー。


これは物語ではない。
と言いますか、あらすじでは全然「労働者M」の魅力というものを伝えらんねー。
状況。ただ状況の連続と言いますか。言いません。うまく言えません。
「なんだこれ?」というのが、もっとも正確な感想である気がします。


しかし、ケラ大好き!大ファン!と、恥ずかしげなく言えるなら、もう一段語るべきことがあります。じゃあ言います。だーいーすーきー。


労働者M」は、料亭おケラのダシ汁である。
笑いやらドラマやらは、具材・調味料でありまして、それらを調理した料理を観客は味わいに出掛けるものです。料亭おケラでは、クセの強い食材・役者をクセを強調する調味料・笑いで味つけ、それをさまざまなスタイルの調理法で、時にナンセンスだったり時にドラマチックだったり、多彩な味を作ってきました。
おケラの料理を口に入れると、料理ごとに違う感覚ではあるのですが、そこには共通の風味が感じ取れるか、と思います。それは有頂天という屋台を引いていた頃から磨きをかけてきた、おケラのベースとなるダシ汁の味でした。それは、同じコメディをベースとしてきた料理人、松尾氏と徐々に違った味わいを生み出す基になったものでありましょう(ちなみに「労働者M」では松尾氏の得意な食材「スズキ」を使っております)。


その味わいを表現する言葉を私は持っていません。
投げやりなようで誠実さを捨てることなく、絶望のようでいて辛くはなく、頼りないようでからっと明るい。
そんなダシ汁にちょっと薬味をきかせただけの「労働者M」は、ドラマでお腹を膨らませることや笑いの他にはない味を期待する人には、すこし足りないと感じるかもしれません。しかし、おケラの味わいに少しでも魅了された人々にとって、堪えられない味であることを、私が保証いたします。


以上、現場より東海林がお送りしました。