中場利一「岸和田少年愚連隊 望郷編」

シリーズ3作目。今までの「岸和田少年愚連隊」は、わりにエピソードがかっちりしていて、短編が集まっているような話だったけども、この望郷編、いくつもの話が漠然と混じりあっていて、それなのに家の隣にある苺畑の風景や、苺畑を通って帰る家での、家族へのかかわりが、全体に残る。
チュンバが小学生で、家族とか暴力とか、いろんなことに屈託がないのがいいのかも。素直だけども、ちゃんと遠い、っていうか。
前2作は、男なら分かるだろ、ってな本ですが、これは万人に勧めたい本ですね。
今、誰かに本を貸すなら、これにする。