「ローズ・イン・タイドランド」を見たゼ!(ネタバレなし)

この映画を観るべきだと伝えらんない。そもそもその気がねーけど。
ここに花束がある。いや。どこにだって。あらゆる場所に花束が。
咲いた花は一つだけでも、花束は数え切れない。誰もが花を束にしてんだ。フラワーアレンジメント、ムーブメント、アジテテーション。
インターネットに花を飾るような書かかかかれる、感ジョー!感ソウ!感ガイ!俺たち<感3兄弟>!!
「ここから先へは通さんぞー」
どこだよその先。


花束を贈ろう。断崖絶壁にブーケを放り込むように。庭先に溜った水へ小瓶を流すように。
受け取ったかい?それじゃ今すぐ捨ててくれ。
花束で喜ばれたくなんかねーんだぜ。
そ、そこに居るのは感家宗主キョウ感!
「よくぞ此処まで辿りついた」
どこだよ此処。


誰にあげるわけでもない花束を、ただ作っていたいんだ。
アジテーションはもういいんだ。そこで閉じて震えてろよ。ジップ・ロック・アジテーティング。
ずっと昔、クソガキの俺が出会ってヤラれて震えたような quote。
いつか未来、宿六の俺が読んで恥ずかしくて閉じるような note。
指差すんだ。でたらめな方を。
ついにでたー!感家、影の宗主イッ感ー!!!
「あ、じゃあ花束はあそこの方へ捧げてください」
あそこなら知ってる。
あそこには花束。花束に包まれて、感の眠る墓。


ローズ・イン・タイドランド」の宣伝。

オープニングからまともな人間がひとりも出てこない世界に無理矢理引きずりこまれた感じ。
気がつくと、笑って観てた。
田中 裕二(爆笑問題

ハックルベリーも、赤毛のアンも、オリバー・ツイストも、ジュディ・アボットも、
物語の主人公は皆、孤児である。これは少女が孤児になるまでの物語。物語の前の物語だ。
太田 光(爆笑問題

さっぱりわかんねーよ。全然別の話をしてるとしか思えません。
田中さんは<無理矢理><気がつくと>って、この映画にろくに期待してなかったニオイがぷんぷん。
太田さんは<物語>言いすぎ。あんまり物語物語言ってると、太田になっちゃうわよ!とお母さんが子供を叱るのが目に浮かぶようです。
しかしどっちも「ローズ・イン・タイドランド」の紹介なんだ。


主役の少女がテイジンのCMの女の子にしか見えなくて、いつ「だけじゃないテイジン!」と言うやらCDシングルを乳首につけて踊りだすやら。とハラハラして見てましたが、そんなことはなかった。
あと、ゲロを吐く音がモンティパイソン時代と同じで、こっそり笑った。

妄想。妄想。妄想。
妄想のみによって、テリー・ギリアムという名の老人が、映画を作っている。作り続けていることに拍手を。瞬きのような、密かに小さな拍手を。この映画に絶賛は似合わない。スクリーンに咲いた花は、決してあらゆるところに咲き誇らないフリーキーな花ですが、その花で花束を作れたことを僕は誇りに思う。