シット!サック・マイ・アスホール!?ユー・サック?ヘイ,カミン!!

いきなり下品な話で悪い。
けつの穴を見られるよりも恥ずかしい、なんつー言葉があるが、それほどの恥というのは、肩で風をブイブイいわせ、俺のルールをはずさない、それが一番大事なもんでそれしか大事なもんはない、ってな若者が、さまざまな出来事、「けんかに負ける」「女に捨てられる」「気の利いたギャグをいいそびれる」「合唱コンクールで指揮者になる」というようなことを体験し、ああ俺今くそったれだなぁ、と思うときに感じるものであって、早々に、駐車場でちょっとブイブイと練習して公道では安全運転を心がける、とか高校ぐらいでそんなんだった俺なんかが、感じるものではない、と思っていた。
今日までは。


とかなんとか書いて、ようやく落ち着いてきました。


俺は古橋秀之先生の「超妹大戦シスマゲドン」を鑑賞、さらには購入するために本屋に行ったんだ。
断っておくが、妹とか萌え萌えとか、
何それ?
トレンド?
舞妓さんとか、そういう感じ?
あ、そういうんじゃない。へぇー。
日本は広いねぇー。


という心持ちで、「あの妹ゆうやつを、古橋さんとこが仕入れたらしいのう。古橋っちゅうたら、変わったもん仕入れちゃあ、素材の味を生かしつつ、自家製のソースになじませよるわ。ちょっと今夜にでも食いに行っちょうか?のうなんか返事せえよ恵美子」なんて倦怠期の夫婦が俺の心でいたたまれなくなってきたので、まあとにかくその、掲載紙の「マジキュー」、とゆうのを探しに街へ出かけたんだ。


しかし「マジキュー」というのがどんな雑誌か?どこのコーナーに置いてあるのか、分からない。
2軒回って見つけられず、三件目の店の二階、児童書や哲学書なんかの売れ筋ではない本の並ぶ隅っこのゲーム攻略本コーナーで、ついに見つけた。
見つけてしまった。


すごいぜ。
マジキュー」は萌え専門雑誌だった。
ちょっと歩くと、赤べこのごとく、首がかくんかくんに揺れそうな細っい首した、フリフリの服着た女の子が満載!ワオ!


すいません……これを…手に取るのは……勇気が…ブイブイを諦めた僕には、勇気が……。


ここで、なにやらレジにて、本の注文をし始めたお客さんが。
よし、今この2階には他の客はいない。すかさず内容をチェックだぜ!
あぁ、イラストも毒がある感じでいいな。やっべ。10行くらい読んだだけで、おもしれぇ。ワクワクすんぜ。ニヤニヤすんぜ。
ガチャ。
ドアが開いた。攻略本とこのすぐ横の。
「えー。どうしました?」
「この商品の在庫なんですけど…」
「ああ、なんか、あー、主任ー」
ガチャ。
またドアが開いて、もう1人出てきた。
「こちらのお客様が……」


どうやらさっきの客の本の注文で、ややこしいことになったらしい。
あたふたと話し合う店員達。
ドアを出入りする店員達。
何事かと2階に現れる店員達。


みんな、横目で俺を見ていく。
目線も上げられないし、立ち去ることもできない。
嫌な汗が、ぶわぁ。


客が立ち去り、狂騒が過ぎて、俺は走って本屋から逃げた。
あちゃー。あちゃちゃちゃちゃぁ。ってついつい口から漏れる。
自転車こいで、家までついて、うわぁって気持ちをかき消したいのでテレビをつけた。
電車男」のCM。俺山田孝之と髪型同じだ。
うわぁちゃちゃちゃ。
泣きそうになった。いやゴメン。ちょっと泣いた。