上條淳士「sex」完結だーい。やっほっほーい。

一気に買って読んでやったぜ!Sex 5 (ヤングサンデーコミックス)
To-yってかっこいい!って思ってた男も、To-yってへたれじゃねえって言ってた男も、むしろニアがかっこいい!と気づいた男も、一周回ってTo-yってかっこいい!ってことになった男も、みんなが待ってた「sex」がついに単行本で完結だ!


やっぱりTo-yでは、言葉のないライブやテレビ収録のシーンが圧倒的に心揺さぶるところだと思うんよ。個人の内面よりも、行為。ある社会とそこからはみ出している行為。それをひとコマにぎゅぎゅっと詰め込んだイラスト。それが上條淳士の真髄やよ、と。
都市、というか社会を、一枚の絵に切り取るのがすげえうまい。
しかし、それってイラストなわけで、漫画家・上條淳士の才能は、イラストを描ける技術とそこに収まりきれない、なじめないキャラクターの放浪、なんてぇのを描こうとする意思にあるんだろう。


ただ、それは物語にはなりづらい。
To-yではロックヒーロー(笑)To-yの物語から離れて、高まりすぎて最後にはぶちんと切れてしまった、なんてな感のあるひとコマひとコマの緊張感の連続。
それが、sexでは最初からぎりっぎりのまま、誰かを(特に後半はユキ・ナツ・カホ以外を)中心として、少しずつ引っ張られて壊れそうになる危うさを物語が与え、そして最後までちぎれなかった。っちゅう傑作。


あんまそっちには詳しくないけど、一地方の神話的不良漫画(○○最強と互角にやりあってやがる…!みたいな)の要素もとりいれているのに、強くなりたいとか仲間を守りたいとか、そんなもんじゃない行動原理で動く、世界中から切り離された共犯者達を描いた上條淳士はやっぱり天才だわ。