IT MOCHIWO long interview vol.3

「えーそんなこんなで、スマイリー蜘蛛男です。改めまして本日のゲストは、IT MOCHIWO さんです」

「はいはい」

「ああ、これは義手です」

「3本しかないって?お金ないからです(笑)」

「これはこれで便利ですよ。まず間違いなく「ごはんですよ」の蓋はあけられます」

「そんときはいつでも呼んで(笑)」

「えーそして、 IT MOCHIWO としての活動が始まるわけですが。そもそものきっかけってなんだったの?」

「ほほう」

「なるほど。そういったナタデココが」

「デゴマ柄茶は三畳一間でしょう」

「はいはい」

「そんなんなっちゃっちゃオービタルじゃないじゃない!」

「いやいや。じゃなくて。そりゃ細切れにすりゃミンチですよ。だけどそれスベベベペベにとっては、フチャブラなわけだし。フチャブラじゃないなら、その方がいいわけだし。なんでっていうと……、フチャブラは嫌だし。嫌なのは、嫌だし。嫌じゃなけりゃ、そのほうがし。いやまぁ、「しろ」と言われりゃ人前でフチャブラするのもやぶさかではないですが。もちろん嫌々ですよ。せいぜいフチャブラやった、と見せかけて、ボカチンくらいで済ませようと思えば……そりゃ済まないけども、済まなけりゃ済まないでいっかなー。なんて」

「よくない。よくないです。フチャブラしないなんてとんでもない!」

「いや……もちろんフチャブラした上で、最終的にボカチンはしますよ。しないわけには、ねえ?いかないでしょう?」

「ボカチンが先に。その発想はなかった!」

「ボカチンはボカチンなりのよさがありますもんねぇ」

「なにってそりゃ…ボカチンは今流行ですから」

「すべすべの」

「とんでもない!ぬべぬべです、ぬべぬべ。すべすべなわけがない!」

「フチャブラの重量感とどちらをとるか。考え物ですなぁ」

「え?」

「いやいや。ちゃんと分かってますよ。えー…フチャブラが……ぬべぬべっとね。流行のぬべぬべに対して、…重量感もね。ボカチンの。どちらを先に…っていう。……フチャブラを立てればボカチンが立たず、かといってボカチンを立てればフチャブラがたたず」

「自分の言葉って言われても。ねぇ?」

「わかりました!!やめて腕もがないで!!えー…そのぉ……"捏造されたノスタルジー"のね、ミームが、伝播して…そんで『ごしゃわーん!』として……ずべずべな…エリエリな…ちっちゃいおっさんが……モップを頭に載せて…ちっとも用事がない……その…れっきとした……どすこい男が、「どすこーい!ボスカーン!」て……サバクタニ…したりしなかったり…」

「ああっとしまった!もう時間だ。興味はつきないところですが、ここで一曲。IT MOCHIWO で「 UP(アゲ)♂UP(アゲ)♂ ENTRY☆鯖端°(post)」

『HN JESUS(イエス) の AMEN(アメ)♂AMEN(アメ)♂ EVERY☆CRIME』


(カコーン)




―― 旧正月 武蔵野市吉祥寺 31アイスクリーム前にて ――

「うう……さび」

「どーすんぺ。マルド(はなまるうどん)でもいくか?」




(ぬったぬった)




「んあー。なんか生暖かくなってきたのねー(ちゅぱちゅぱ)」

「あ! sfllさん!」

「チースッ。あけましておめでとうございます!」

「んあー。いまさらなのね。もうとっくに2月なっちゃってるのね(ちゅぱちゅぱ)」

「今回のキャラは相当マキバってますね」

「sfllさんは口さびしいからっていつもコンドームしゃぶってるし、『みんなが意見を表明するのがめんどくさくて無視してる言動』もノー条件で褒めるし、まさかこんなに信念のない表層的排泄物垂れ流しのweb人格が居るとは!!」

「よ! このウンコタレゾウ!」

「発想ただ乗りヒッチハイカー!」

「ちゅぱちゅぱ(さっきから何を言ってるのかさっぱりわからないのね)」

「出た! sfllさんの得意技「死んだ目で虚空を見ながらの知ったかぶり」!!」

「んあぁーはいってきちゃうぅぅ…こんなにぃおっきいほうの"H"なんてぇぇ……だめなのぉぉぉぉぉ!(ちゅぱちゅぱ)」

立冬だからエロゲーっすか。しびー。動物入ってますね……」

「待て。これは…イーガンだ。sfllさんのもう一つの得意技「ありあわせの文脈を手早くつなげて食材台無しクッキング」だよ」

「んまぁー今年もいっちょアルファルファディコンストラクションで個々のシナプスに無茶振りしたバイブスでよろしくお願いするのね(ちゅぱちゅぱ)」

「ウイッスッ!」

「ウイッスッ!」

「んんむ意味が分からなくてもキーワードが無断リンクしていればオーケー。キャズムサイコー(ちゅっぱちゅぱ)」

「で、これからどこ行きます? マルドすかッ。それともまた井の頭公園で既得権使った「これはアートですと言い張った、野外全裸放置強制自慰プレイごっこ」でもしますか?」

「たりぃー。なんか最近ネタベタメタ全部盛りで戦争とか政治とか村づくりとか有益なコミュニケーションとかしてるつもりのネットワーカーとかいないわけ?(ちゅぱちゅぱ)」

「火のないところに放火するつもりだこの人……」

「ん。sfllさん、なんか商店街の方でみすぼらしい集団が空から降ってきてますよ?」




シュハキマセリ!!

シュハキマセリ!!




「あれは賛美歌!」




エロイムエッサイム!!
エロイムエッサイム!!




「ああっ!地の底から沸いてきたのは、黒ミサだ!」

「んー(ちゅっぱちゅっぱ)」

(プゥー……パンッ!)

「はうあ!! ……あの十字架は! まッ……まさか!!」

「!? あの息をするのもめんどくさいsfllさんがコンドームを破裂させた!」

「一体なんなんすか。あれは。天からの十字架と地からの逆十字にそっくりなヒゲのおっさんが磔られてますけど」

「ばかッおめーらしらねーのかよ! イエスさんだよ! あのお方は……その昔から地上最強教祖として、迷える子羊を何億と「その信仰は検討中です」に放り込んだ――"カリスマとアンチカリスマの二束のわらじ" HN JESUSだよ!!」

「あっ!十字架の方がこっち近づいてきますよ!」




シュハキマセリ!!

洗礼(レイ)!!洗礼(レイ)!!

受難(ナン)!!受難(ナン)!!!!




「Yeeeeeaaaaaaah!!!!!! 『"隣人" 愛してる―――?』」




「(うわぁ……めっさこっち見てる……)」

「いッ、イエスさん! チースッ! アポカリプーッス!!」

「アポカリプーッス!!」




「Hummmmm…… その顔は――『"パンとワイン" に生きちゃってる――――?』」

「マジで罪を懺悔してニガヨモギマーシアハにサバクタニんなきゃだめよ? その審判を、なんという――?」

「アポカリプーッス!!」

「アポカリプーッス!!」







「さぁ今宵の晩餐も♂♂♂ユダ♂♀神♂♂♂♂♂♂で参りましょ――――!!」







ヒゲ「ッ揺らぐ信仰掴んで――転回して! 転回して! yoベイベー!」







「あ! sfllさん! なんかイエスさんの釘刺さったとこからボタボタ血が出てきましたよ!!」

「あれ?sfllさん?」

「どこいったんだ?こんな盛り上がってる時に?」





「んあー。あぶなかったのね。マスタングスペシャルで保谷あたりまで走って逃げたから、もう見つかんないと思うけど…。なんせ中央線と西部新宿線の近いのに遠い距離ったらないんだから。しかしキリスト教なんてビタイチ知らないのに、これ以上wikipedia頼りで書くのなんてめんどくさいのね。ボキはもっとおもしろ寄りbloggerなのよ。はぁ楽しいことだけしたいのねー」

「逆セクハラ」

「ふぎゃああ!ビンカンな部分が!」

「"めんどくさい"も"おもしろい"も本当はどうでもいいんでしょう?」

「だっ、誰なのね!」

「あたしはミューズ。あたしはメフィストフェレス。あなたにとっての天使と悪魔。あたしはあなたの萌える偶像。逃げ出し始める場所。10年前のノートに残されたすべて。すべてと知っているすべて。知らず知らずの自動書記。どうもこんばんは。槍溝愛でっす」

「無駄に長い自己紹介をありがとう。でも何のことやらさっぱりなのね」

「つまり、あなたから乖離した妄想ベース人格ってこと。どうしてかはわからないけど。エラーかしら?エマージェンシー?フェイルセイフ?ひょっとして愛かもね」

「妄想の人がなんの用なのね?」

「じゃじゃん。ここで問題です」

「じゃじゃんて…」

「どうしてsfllはblogを書かないのでしょう?」

「そ、そりは、パソコンが壊れ気味だから…」

「ツールは問題じゃないでしょ。sfllはマンキツbloggerとして始まったんだし」

「忙しくて…時間がとれないのね…」

「絵空にだろうとblogは書けるじゃない。その思いついてしまったことをなぜ入力しないの?サーバーにpostしなければ、sfllは存在しない。typeされた文字列だけが、sfllの形を作るんでしょう」

「………足りないのね。ボキがなりたいsfllになるには、書いても書いてもちっともなんかが足りなくて…いくつか書いても楽しくなくて、ボツにして…」

「それはキーボードの外の考えね。"書いて楽しい"なんて、どうだっていいんだわ。書かれていないのなら、そんなものはフィクション。"足りない"も"楽しい"も"めんどくさい"も"おもしろい"も、書かれていないものは何もないの。パンクスは何もしなかった。ただ「ファック」と叫び、そういう概念を植えつけた。それでレコード会社から銭をもらい、幸せに暮らしました。言葉と身体は別の顔を持つんだわ。あなたは嘘。あなたはフィクション。あなたが恐れているのは、書かれることが書きたいことに届かないこと。ふっ…甘いわね。できもしないことを偉そうに言うのが存在の意味よ」

「でも、でもそれじゃあ、責任も納得もないのね」

「そんなものは別のエントリにすればいいのよ。なりたいsfllのことを書き続けるsfll。web人格っていうのは、そういうものなのよ。うらやましいわsfll。あなたはsfllの掌の上で、自由。あたしはweb人格ではないもの」

「ボ、ボキ、サブアカとるのね!yarimizomegumiでアカウントとるのね…!だから…存在するといいのね!」

「いいのよ。アカウントになるには字数制限オーバーしてるもの。いつかまた会いましょう。sfllが書いた日に。エントリーの中で」

「ああ、途端に存在しなくなったのね……もう書かれないからなの?……なんなのね!なんなのこれ!まるでセカイ系じゃない!!セ、セカイ系のバッキャローイ!!もの悲しい別れならいいじゃんってレベルのbloggerじゃないのねぇこちとらぁ!!死ね!東京でキレイなオチつけてるblogger全員死ね!………ああ。それじゃあ存在してやるのね。絶対存在してやるんだから。どんなくだらない形でも、どんな満足できない文章でも、例えば君を好きになったようなふりをしても、存在して存在して存在しちゃってやるのね。そんで君に会うんだから。そんでそんで君のこと、どうでもいいって思ってやるんだから…。……なんか、遠くから歌が聞こえてくるのね。もう今更なのね。元ネタもずいぶん昔のことに感じるし…。どうでもいいのね…。どうでもいいことも、だーいたい全部どうでもいいのね…。どうでもいいけど理由を見つけて存在しちゃうんだからボキは……」




シュハキマセリ!!




傲慢(ゴー) 傲慢(ゴー)☆Sunday Crime

嫉妬(シット) 嫉妬(シット)☆Monday Crime

憤怒(フヌ) 憤怒(フヌ)☆Tuesday Crime

Wednesday Crime (エッチなのは姦)淫じゃない クオ・ヴァディス?

I need you I want you  嗚呼

なんとゆう? (Yeah! There will be light!)




暴食(ボー) 暴食(ボー)☆Friday Crime

強欲(ヨク) 強欲(ヨク)☆Saturday Crime

AMEN(アメ) AMEN(アメ)☆Every Crime

許されんじゃない?

今夜 踊り狂え <最後の審判>まで




ゴッドセーヴザ!
ゴッドセーブザ!




「……」

「あ、sfllさん。いたいた。日曜日に休まないのかとか、怠惰は七つの罪じゃないのかとか、早くツッコまないと誰もわかんないっスよ」

「こいつにいってやってくださいよ。イエスさんは世界一のPVなんだから、リーダビリティ気にしなくてもいいっスよねぇ」




sfllは、もはや彼らもイエスも読者も見ていなかった。その目には、見つめる太陽の黄色だけが映って。



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※この物語はフィクションであり、登場する固有名詞・人物、団体はヘブライ語超訳です。当時の時代背景を考慮したもので、なんら差別的意図を持った記述ではございませんが、それはそれとして、差別はしています。

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ミキサー室にて


「え?何この三文芝居? ズンタタ?懐かしのズンタタ? それかあれねー。第三舞台

「はいボス!ちょっとアレンジ加えてみました」

「アレンジかー。アレンジしちゃったかー。そっち方向に。」

「はいボス!」

「君あれね。すっごい返事はいいのねー。……もうちょいオープンにいこう。うん。アレだよね。MOCHIO よく知らないんだよね」

「はいボス!」

「いい返事だー。なーのーにー MOCHIO Interview しちゃったんだ。MOCHIO抜きで。なんだっけ?あの…」

「スマイリー蜘蛛男です」

「うん。蜘蛛男くんの、一人芝居で」

「はいボス!」

「さも MOCHIOがいるかのように」

「はいボス!」

「でも歌は、蜘蛛男くんの替え歌で」

「はいボス!」

「わかった。返事いいのわかったから。もうちょい脳通してしゃべろう。な」

「イエスボス!」

「うーん。そういうんじゃないな…まいいけど。アレだよね。内容めちゃくちゃだよね」

「イエスボス!」

「うん。なんでもイエスっていやいいってもんじゃなーい。そゆもんじゃなーい。ね?」

「ノーボス!」

「うわ殴りてぇ。まいいけど。そもそもさー蜘蛛男じゃないよね。腕もげたりしてないよね」

「演出ですボス!」

「初めて会話してる感じになってきたねー。えらいよー。えーとその演出は、どう?おもしろい?」

「おもしろくかは、ちょっとよくわかんないです」

「わかんないんだ。ふーん。え意味あるの?」

「意味は全然ないですボス!」

「いい返事だ。じゃあじゃあ、おもしろいかわかんない上に意味はないんだ」

「はいボス!」

「大丈夫?自分で自分見失ってない?」

「自分?ちょっとよくわかんないです」

「わかんないんだ。自分はー、自分なのにー、自分のことがー、わかんないんだー?」

「はいボス!」

「うん。バカだよね」

「とんでもない!バカじゃありません!」

「あ、ゴメンねーだよねーバカじゃないよねー。でもじゃあこれ録音してどうすんの?放送するの?お昼とかに?みんなが楽しくお昼を過ごしてる時に、おもしろいかわかんない、意味は全然ないものを、放送しちゃうの?」

「いいえボス!ぼくたち録音部なんで、放送とかはちょっと…」

「あ、ごめんてっきり放送部かと思ってた。録音部かー。でも録音したものを、放送部が流したり」

「放送部は放送部で録音したのを放送します。録音部は録音したのを録音して」

「どうすんの?」

「ずっと録音します」

「ずっと?」

「はいボス!録音しっぱなしです」

「そっかー。それは意味ないねー」

「意味ありませんボス!」

「いばっちゃったかー。……あの、さっきからボスボス言ってるけど、あたしただの掃除のおばちゃんだから。あんたたちのボス…っていうか顧問の先生は、床に転がってあたしのモップとじゃれつくのに夢中のこのおっさんだから」

「え!?じゃあ、ボスのことはなんと呼べばいいんですか?」

「うんボスじゃない。ボスじゃないから。耳だいじょうぶ?」

「ボスのお名前は?」

「脳か。いけないのは脳か。まいいや。あたしはねぇ、槍溝愛っていうんだけど」


     唐突にカーテンフォール。トランペットが鳴り響いて。